キッズデザイン・ラボ
Vol.15
子どものハザード予測と子どもから学ぶ創造性の研究
(フューチャーアクション部門)
大阪府産業デザインセンター・積水ハウス株式会社
パナソニック株式会社・株式会社ジャクエツ環境事業
・コクヨ株式会社・凸版印刷株式会社・NPO法人GIS
総合研究所・笑顔デザイン研究所
こどもOS研究会について
こどもOS研究会は、キッズデザイン協議会の調査研究部会として2008年に発足し、関西を拠点に活動を続けています。私たちは発達心理学や認知心理学(アフォーダンス理論)の考え方をもとに、自分の意志で行動できるようになる、おおよそ2歳から12歳までの子どもたちが持つ、自由で豊かな感受性や創造力・直観力から引き出される、子どもたちに特有の思考や行為を『こどもOS』と命名しました。
研究会では、主に遊びの中に見られる子どもの行為と年代との関わりについて観察調査を行い、身の回りの様々な環境に対する子どもの行為の可能性について、「プレイフル(遊びゴコロ)」と「ハザード」の両面から調査研究を行っています。
こどもOSランゲージとは
研究会では子どもの行動観察から、子どもたちに特有の行為を、代表的な22のデザイン共通言語『こどもOSランゲージ』として抽出し、「プレイフル・デザイン・カード」としてまとめました。
これらのカードには、企業が製品の企画や開発を行う際に参考となる「デザインコード」と、子どもに特有の行為から起こる危険とその回避のための「安全・安心コード」が記載されています。そのため、先入観や社会通念に影響されやすい大人に向けた、アイデアやデザインの発想ツールとしてだけでなく、子どもにとっての危険の原因(ハザード)を事前に取り除く安全・安心のデザインにも役立ちます。
子ども時代に培ってきた本能的な行動や感性は、人間の価値観や自己肯定感の形成に深く結びついていると言われています。「こどもから学んでおとなが変わる」。大人が子どもゴコロを取り戻すことで、子どもたちの健やかな成長発達につながる社会環境の創出に取り組んでいます。
住宅の壁の隙間や細い通路を通り抜けたくなる
くぐりぬけ
フェンスの破れ目や生け垣の間などをくぐり抜けたくなる
囲われ感
陸橋の下や段ボールの中など、狭い空間に入りたくなる
ぴったり探し
背伸びして届く高さや自分の身体が丁度入る隙間に収まりたくなる
登らせるかたち
よじ登れそうな場所を見つけると登りたくなる
メタ視
高いところから周りを見下ろしたくなる
対岸へ
溝や穴があれば飛び越えたくなる
マインルール
同じ色のタイルを踏むなど、自分だけのルールを作って遊びたくなる
揺れるもの
鎖やロープなどがあると、揺らしたりぶら下がったりしたくなる
アンバランス
不安定なところに乗ったり回転したくなる
アイキャッチ
空間の中に変に目立つところがあれば引き寄せられる
見立て
ある物を別のものに見立てて遊びたくなる
禁止の誘惑
壊れているものや禁止されているものに触りたくなる
延長する身体
長いものがあれば、振り回して遊びたくなる
ながら
2つのことを同時進行で行いたくなる
無意識の感触
意識していないのに、手や足で何かを触ったり撫でていたくなる
流れる水
水があれば、手や足を浸して、その感触を楽しみたくなる
軌跡
花火や水など、一瞬一瞬の変化を楽しみたくなる
触って確認
気になるものがあれば、触ったり舐めたりして、確かめたくなる
反復するもの
等間隔の柵や壁に手や棒を当ててリズムや反発を感じたくなる
ぬくもり
人肌のあたたかさやぬいぐるみなどの柔らかさを感じたくなる
かみさま
子どもなりに、かみさまや異界の不思議さ、怖さを信じている
プレイフル・デザイン・カードの入手について
キッズデザイン協議会では、アイデア・デザイン発想のためのツール「こどもOSランゲージ(冊子)」・「プレイフル・デザイン・カード(発想カード)」をセットで販売しています。 価格は、キッズデザイン協議会会員は¥3,000-、非会員は¥5,000-、(いずれも税込/送料別)で購入していただけます。
ご購入のお申し込みは必要事項をご記入の上、キッズデザイン協議会までメールにてお問い合わせください。
キッズデザイン協議会
メールアドレス:info@kidsdesign.jp
必要事項:会社名・ご担当者名・ご住所・必要セット数・プレイフル・デザイン・カードを知ったきっかけ
※この研究に興味のある方は、下記URLも併せてご覧ください。
https://pds.oidc.jp/