キッズデザイン・ラボ
Vol.13
子どもの発達とチャイルドロックについて―第2回子どもの操作能力等の調査―
はじめに
第1回では子どもの事故ひやりはっと事例の分析を紹介しましたが、今回は子どもの操作能力等の調査結果について紹介します。
子どもは日々成長し、昨日できなかったことが今日にはできるようになります。それぞれの年齢において、どのようなチャイルドロックが有効であるかを検証しました。※
※「『チャイルドロック』設計のための子どもの操作能力の調査」
経済産業省平成22年度「キッズデザイン製品開発支援事業」共創プロジェクトの一環として実施した。
詳細は、キッズデザインの輪のサイトに掲載している。
http://www.kd-wa-meti.com
1歳(12ヶ月)以上7歳(84ヶ月)未満、計138名を対象に、既存チャイルドロックの解錠可否の検証および操作する力等の計測を行いました。
既存チャイルドロックの解錠可否の検証
既存のチャイルドロックから、代表的な5タイプを選定し、検証しました。
① 1つボタン長押し(3秒・5秒)
② 2つボタン同時長押し(3秒・5秒、ボタン間隔大・小)
③ 押し込みながらスライド
④ つまみを押しながら回転
⑤ つまみを押しながら引く
まず、大人が見本を見せ、続いて被験者の子どもに挑戦してもらい、解錠の可否を記録しました。被験者の意欲を引き出すために、解錠できた際にはおもちゃが動いたり、音が鳴るというような演出を行いました。(写真1・2)
ここでは、家電製品などで一般的に採用されているボタン長押しタイプのチャイルドロックの検証結果についてご紹介します。
操作する力などの計測
次に製品設計の際に活用できる基本的な力等を計測しました。
① スイッチを押す力
② スイッチを押し続ける時間
③ 指でつまむ力
こちらも、まず、大人が見本を見せ、続いて被験者の子どもに挑戦してもらいました。(写真3〜4)
おわりに
子どもの事故防止のためにチャイルドロックに着目して調査研究を行いましたが、チャイルドロックは、子どもに解除できないものであると同時に、大人にとっては扱いやすいものでなくてはなりません。
今回の調査研究をスタートとして、より安全な環境づくりのために、企業や業界の垣根を越えて知識を共有し、協力する活動を、これからも続けていきたいと考えます。