会長挨拶

 私どもキッズデザイン協議会は、自らが策定し、活動の拠り所として掲げている『キッズデザイン宣言』の冒頭において、『すべての子どもは社会の宝であり、私たちの未来そのものです』と謳い、活動を推進してまいりました。『キッズデザイン』とは、次世代を担う子どもたちの健やかな成長発達につながる社会環境の創出に寄与するために、デザインの力を役立てようとする考え方であり、活動です。
子どもたちを取り巻く環境の中にあるすべてのものが子ども視点で考えられていて、子どもの基準で作られている。そのような『キッズデザイン』の考え方とその考え方に基づき開発された商品、サービス、取り組みが広く実現し、浸透する社会を目指して創設いたしましたのが、『キッズデザイン賞』でございます。
『キッズデザイン賞』は、多様化、複雑化する、子どもや子育てに関わる課題に対して、「子どもたちが安全・安心に暮らす」、「感性や創造性豊かに育つ」、「子どもたちを産み育てやすい」の3つの観点からアプローチされた、子ども視点の製品や施設、取り組み、調査研究を表彰いたしております。第15回(2021年)までの累計受賞作品は3,439点を数えるに至りました。
社会的、文化的な見地から評価を得たそれらの製品、取り組みを社会に共有し、『キッズデザイン』の考え方を生活者の皆さまに広めていくことは私どもの重大な責務であると考えます。

 協議会では他にも、研究会・プロジェクト・情報交換会の運営、社会課題、会員間の共通課題の解決に向けたオープンイノベーションを創発できる場の提供や、展示会・ワークショップの開催、『キッズデザイン』の国際標準化の推進などの活動を実施しており、会員一人ひとりが主体となって活動に取り組んでいます。

 ウィズ・コロナ、アフター・コロナの時代は、私たちの生活様式、考え方、働き方を変えていくことと存じますが、さまざまな企業、団体で構成されるキッズデザイン協議会は、そのような時代とも共存しながら、業界横断的なネットワークによる多角的な視点を活かし、子どもたちを取り巻く社会環境の改善を加速させ、調和の取れた社会を目指してまいります。

会長 坂井 和則

特定非営利活動法人キッズデザイン協議会 会長
坂井 和則