2008.9.7|研究開発活動

【こどもOS研究会】創成期
第1回ワークショップ「こどもOS再発見!」開催報告

初のワークショップ「こどもOS再発見!」が開催

2008年9月5日、サントリーミュージアム[天保山]にて、「こどもOS」の概念を検証する初のワークショップ「こどもOS再発見!」が開催されました。



趣旨:子どもの視点に同化する

このワークショップの目的は、事前の予行演習で行った「こどもOSマップ」を活用し、参加者自身が子どもの思考や行動、感性を捉え直す「こどもOSのインストール」を実践することです。大人目線から離れ、子どもの世界に「同化」することを重視しました。

プログラム:イタリアンミールモデルの活用

ワークショップを設計する際の重要なポイントは、参加者がドキドキ・ワクワクするようなプログラムを考えること。つまり、参加者の“やらされ感”をなくすことです。そのため、このワークでは、同志社女子大学の上田先生が提唱する「イタリアンミールモデル」を採用しました。このモデルの特徴は、イタリアンレストランで出される料理の順番に見立てて、おもてなしを組み立てることです。それぞれの料理には、下記のような意味付けがなされています。



{メニュー:次第}
アンティパスト:アイスブレイク(グループ分け・自己紹介)
プリモ・ピアット:写真からのイメージマップづくり(個人作業)
セコンド・ピアット:イメージマップの統合(グループ作業)
ドルチェ:グループ発表とこどもOSの考察
エスプレッソ:ワークショップの振り返り(省察・ドキュメンテーション)

ファシリテーターは、素晴らしい会場をご提供いただいた、サントリーミュージアム[天保山]の古市 宝さんと、大阪キッズデザイン検討会からお世話になっている、ハーズ実験デザイン研究所のムタラチアキさん(METAPHYS代表取締役)にお願いしました。


また、曽和具之先生(神戸芸術工科大学 准教授)と神戸芸術工科大学の学生の皆さんには、ワークショップで何が起こっているのかを客観的に記録し、省察するためのリアルタイムドキュメンテーションをお願いしました。


実施内容:写真からの「こどもOS」の読み解き

参加者は、子ども目線で捉えた写真(課題写真)を読み解きながら、そこから得られる気づきを「こどもOSマップ」にまとめ、グループでマップを統合して、最後に写真に“タイトル”をつけるワークに取り組みました。



成果と意義

写真からの「こどもOS」の読み解きを各グループで行っていただいた結果、写真に写っている子どもの行動を“一言で的確に言い表せることができる”という気づきがありました。
また、このアプローチは、単なる「こどもOS」の概念化に留まらず、大人が子ども視点を身に纏うことができる、実践的かつ有効的な方法であることが示されました。

省察と学び

神戸芸術工科大学曽和先生のチームでは、ワークショップの様子を動画撮影するとともに、同時進行で編集作業が行われ、ワークショップ終了と同時に、10分程のドキュメンテーションムービーが完成しました。
ワークショップに参加した全員がその動画を鑑賞し、半日の出来事を振り返りました。
より高次のメタ的な視点から自分を客観視することで、グループの成果に一喜一憂するのではなく、本質的な価値を見極めるために有効な方法だと言われています。

主催
NPO法人キッズデザイン協議会 こどもOS研究会
こどもOS研究会リーダー
大阪府産業デザインセンター  川本 誓文
積水ハウス株式会社      中村 孝之

ワークショップ ファシリテーション
ムタラチアキ  ハーズ実験デザイン研究所 代表取締役/METAPHYS代表

アイスブレイク ファシリテーション
古市 宝  サントリーミュージアム[天保山]

ドキュメンテーション・リフレクション
曽和 具之  神戸芸術工科大学 准教授

司会
河崎 由美子  積水ハウス株式会社 ハートフル生活研究所

協力
サントリー株式会社 サントリーミュージアム[天保山]

ドキュメンテーションスタッフ
徳永 智美  神戸芸術工科大学
佐藤 久恵  神戸芸術工科大学
福田 亮子  神戸芸術工科大学
本田 美美  神戸芸術工科大学
物袋 卓也  神戸芸術工科大学

テーブルスタッフ
尾崎 志保 同志社女子大学
齋藤 ミホ 同志社女子大学
毛利真緒子 同志社女子大学

スタッフ
中村 孝之  積水ハウス株式会社 ハートフル生活研究所
河崎 由美子 積水ハウス株式会社 ハートフル生活研究所
篠崎 由佳  積水ハウス株式会社 商品開発部
高瀬 愉理  大和ハウス工業株式会社 総合技術研究所
川添 博史  特定非営利活動法人 GIS総合研究所
国司 輝夫  特定非営利活動法人 GIS総合研究所 
大角 泰史 大阪府商工労働部ものづくり支援課デザイン振興G
谷合美哉子 大阪府商工労働部ものづくり支援課デザイン振興G
杉本  清  大阪府産業デザインセンター
川本 誓文  大阪府産業デザインセンター
西村 睦夫  大阪府産業デザインセンター
福嶋 敏三  大阪府産業デザインセンター

キッズデザイン協議会 こどもOS研究会参加企業・団体
積水ハウス株式会社 
特定非営利活動法人GIS総合研究所
大和ハウス工業株式会社
松下電工株式会社
大阪府(大阪府産業デザインセンター)

Special Thanks
上田 信行  同志社女子大学 現代社会学部 現代子ども学科 教授
水野 哲雄  京都造形芸術大学 芸術学部 こども芸術学科 教授
濱崎  浩  近畿経済産業局 産業部流通部・サービス産業課サービス産業室長補佐
高橋 義則  特定非営利活動法人 キッズデザイン協議会 理事
サントリーミュージアム[天保山]のみなさま