「第3回 消費者との意見交換会」開催
~子どもの安全・安心向上にむけたリスクコミュニケーションが話題に~
NPO法人キッズデザイン協議会は、子どもの安全・安心向上のための消費者との合意形成の場として、今年度も「消費者との意見交換会(注1)」を開催、子どもの安全に関するガイドラインの情報共有や、消費者と企業のリスクコミュニケーションのあり方などについて、活発な意見交換が行われました。
3回目の開催となる今回は、企業努力だけでは解決できない残留リスクの軽減に向けて、企業と消費者とが連携して取り組む施策などに話題が及びました。
【開催概要】
■日時:
2015年2月3日(火)15:00~17:30
■場所:
産業技術総合研究所 臨海副都心センター 本館4階 第1会議室
■参加者(法人種別略 五十音順): <消費者団体関係者>5名
NCOS(現:消費者ネットジャパン)、全国消費者団体連絡会、全国消費者団体連絡会 PLオンブズ会議メンバー、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会、みらい子育てネット東京
<企業>4名
自動ドアメーカー、住宅メーカー、総合電機メーカー、保育園・幼稚園向け各種用品販売企業
<中立者>4名
国立成育医療研究センター、産業技術総合研究所、小児科医、製品安全コンサルタント
■意見交換の概要
情報共有として「子どもたちの安全安心に貢献するデザイン」における安全性のガイドライン(以下、キッズデザインガイドライン)に基づくCSD認証の現状と事例紹介、産業技術総合研究所デジタルヒューマン工学研究センターから、ISO/IECガイド50(子どもの安全ガイドライン)の改訂をはじめとした国際標準化動向、キッズデザイン協議会から、事故やヒヤリ・ハットの情報還流による安全安心のスパイラルアップの説明に続いて、子どもの安全に関するリスクコミュニケーションのあり方などについて、活発な意見交換が行われた。
<消費者団体関係者からの主なご意見>
キッズデザインガイドラインの策定や社会への浸透に向けての取組みに関して、概ねご評価いただき、‘賢い消費者’育成に向けての協力のあり方などについてご意見をいただいた。
・公園で子どもの事故が発生すると、関連遊具をすぐに撤去してしまうことがあるが、子どもの発達には遊具は必要なもの。遊具設置面や周辺環境へのデザインプロセス上の考慮も含めて、遊具の安全性を高めることが大切で、キッズデザインプロセスの導入を提唱するキッズデザインガイドラインを評価する。
・子どもの安全のために製品が改善されることは望ましいが、一方で子どもの育ち方や行動を見ていない、無関心な保護者が多くなっていることも現実で、子どもの安全について社会全体で考える機会ができるとよい。
・消費者側も選ぶ目をもつ必要がある。
・CSD認証製品の購入への補助金など、目に見えて効果のでるシステムができるとよい。
・消費者教育のひとつとして、学校教育に製造者を交えてユニバーサルデザインなどを考える機会を設けたり、若い人に社会的な取り組みに参加(体験)してもらうことなどは良い。
・消費者のヒヤリハット情報は、個人の工夫でなんとかできることだと思われがちのため、大規模調査ではなかなか収集できない。井戸端会議的に地道にヒアリングした結果が共有できれば良い。
<中立者からのご意見>
子どもの安全性向上に向けた国内・国際規格化が進む中、先頭を走るキッズデザイン協議会はそのリーダーであるべきとの力強い応援をいただいた。
・社会にキッズデザインガイドラインを浸透させるのには時間がかかる一方で、子どもの安全に関する国内・国際規格の整備が進む中、キッズデザインガイドラインは常にトップランナーとして、さらに良いものにすべき。
・CSD認証を普及させていくうえで、取得の難易性、メリット等について、これまでの進め方を再検討する必要もある。
・事故予防対策を施した結果の効果検証ができるとよい。企業サイドや消費者サイドに、事故に関する定点観測のポイントを設けられないか。
・子どもの成長に必要な体験や学習に繋がる軽微なケガはあっても、重篤な事故は減らすという社会の合意づくりを進めて行くべき。
<企業側からの意見>
企業側の取組みだけでは解決できない課題があり、消費者とのコミュニケーションを強化して行きたい。
・取り扱い説明書だけで誤使用防止を伝えることは難しく、情報提供の方法は工夫が必要。製造側から残留リスクをどう伝えていくか、利用者、業界を含めた社会全体で情報共有化ができればよい。
・CSD認証製品の購入にあたっての補助金の提案は大いに歓迎する。
・製品開発にはお客様の声を活かしていきたいので、消費者団体の方々からはご指導をいただきたい。消費者 からの生活シーンや実際の製品使用シーンでの改善提案などあれば是非お願いしたい。
注1)
「消費者との意見交換会」はこれまで2回開催しており、第1回は2012年9月、キッズデザインガイドラインの策定に際して消費者の意見を伺った。第2回は2014年2月、CSD認証事業(注2)の普及や認証機関の独立性、消費者とのコミュニケーションなどが話題となった。
注2)
CSD認証事業は、子どもの安全の向上のための業界横断型ガイドライン(キッズデザインガイドライン)を適用し、デザインプロセス評価と企業が実施した製品評価の確認を主体とした第三者認証で、これまでに5件が認証された。
■『「子どもたちの安全安心に貢献するデザイン」における安全性のガイドライン』の詳細
「CSD001 キッズデザインガイドライン ―キッズデザインの原則」
「CSD002 キッズデザインガイドライン ―安全性のガイドライン」
■本件に関する問い合わせ先
キッズデザイン協議会事務局 (担当)山下
TEL:03-5405-2141 FAX:03-5405-2143
~子どもの安全・安心向上にむけたリスクコミュニケーションが話題に~
NPO法人キッズデザイン協議会は、子どもの安全・安心向上のための消費者との合意形成の場として、今年度も「消費者との意見交換会(注1)」を開催、子どもの安全に関するガイドラインの情報共有や、消費者と企業のリスクコミュニケーションのあり方などについて、活発な意見交換が行われました。
3回目の開催となる今回は、企業努力だけでは解決できない残留リスクの軽減に向けて、企業と消費者とが連携して取り組む施策などに話題が及びました。
【開催概要】
■日時:
2015年2月3日(火)15:00~17:30
■場所:
産業技術総合研究所 臨海副都心センター 本館4階 第1会議室
■参加者(法人種別略 五十音順): <消費者団体関係者>5名
NCOS(現:消費者ネットジャパン)、全国消費者団体連絡会、全国消費者団体連絡会 PLオンブズ会議メンバー、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会、みらい子育てネット東京
<企業>4名
自動ドアメーカー、住宅メーカー、総合電機メーカー、保育園・幼稚園向け各種用品販売企業
<中立者>4名
国立成育医療研究センター、産業技術総合研究所、小児科医、製品安全コンサルタント
■意見交換の概要
情報共有として「子どもたちの安全安心に貢献するデザイン」における安全性のガイドライン(以下、キッズデザインガイドライン)に基づくCSD認証の現状と事例紹介、産業技術総合研究所デジタルヒューマン工学研究センターから、ISO/IECガイド50(子どもの安全ガイドライン)の改訂をはじめとした国際標準化動向、キッズデザイン協議会から、事故やヒヤリ・ハットの情報還流による安全安心のスパイラルアップの説明に続いて、子どもの安全に関するリスクコミュニケーションのあり方などについて、活発な意見交換が行われた。
<消費者団体関係者からの主なご意見>
キッズデザインガイドラインの策定や社会への浸透に向けての取組みに関して、概ねご評価いただき、‘賢い消費者’育成に向けての協力のあり方などについてご意見をいただいた。
・公園で子どもの事故が発生すると、関連遊具をすぐに撤去してしまうことがあるが、子どもの発達には遊具は必要なもの。遊具設置面や周辺環境へのデザインプロセス上の考慮も含めて、遊具の安全性を高めることが大切で、キッズデザインプロセスの導入を提唱するキッズデザインガイドラインを評価する。
・子どもの安全のために製品が改善されることは望ましいが、一方で子どもの育ち方や行動を見ていない、無関心な保護者が多くなっていることも現実で、子どもの安全について社会全体で考える機会ができるとよい。
・消費者側も選ぶ目をもつ必要がある。
・CSD認証製品の購入への補助金など、目に見えて効果のでるシステムができるとよい。
・消費者教育のひとつとして、学校教育に製造者を交えてユニバーサルデザインなどを考える機会を設けたり、若い人に社会的な取り組みに参加(体験)してもらうことなどは良い。
・消費者のヒヤリハット情報は、個人の工夫でなんとかできることだと思われがちのため、大規模調査ではなかなか収集できない。井戸端会議的に地道にヒアリングした結果が共有できれば良い。
<中立者からのご意見>
子どもの安全性向上に向けた国内・国際規格化が進む中、先頭を走るキッズデザイン協議会はそのリーダーであるべきとの力強い応援をいただいた。
・社会にキッズデザインガイドラインを浸透させるのには時間がかかる一方で、子どもの安全に関する国内・国際規格の整備が進む中、キッズデザインガイドラインは常にトップランナーとして、さらに良いものにすべき。
・CSD認証を普及させていくうえで、取得の難易性、メリット等について、これまでの進め方を再検討する必要もある。
・事故予防対策を施した結果の効果検証ができるとよい。企業サイドや消費者サイドに、事故に関する定点観測のポイントを設けられないか。
・子どもの成長に必要な体験や学習に繋がる軽微なケガはあっても、重篤な事故は減らすという社会の合意づくりを進めて行くべき。
<企業側からの意見>
企業側の取組みだけでは解決できない課題があり、消費者とのコミュニケーションを強化して行きたい。
・取り扱い説明書だけで誤使用防止を伝えることは難しく、情報提供の方法は工夫が必要。製造側から残留リスクをどう伝えていくか、利用者、業界を含めた社会全体で情報共有化ができればよい。
・CSD認証製品の購入にあたっての補助金の提案は大いに歓迎する。
・製品開発にはお客様の声を活かしていきたいので、消費者団体の方々からはご指導をいただきたい。消費者 からの生活シーンや実際の製品使用シーンでの改善提案などあれば是非お願いしたい。
注1)
「消費者との意見交換会」はこれまで2回開催しており、第1回は2012年9月、キッズデザインガイドラインの策定に際して消費者の意見を伺った。第2回は2014年2月、CSD認証事業(注2)の普及や認証機関の独立性、消費者とのコミュニケーションなどが話題となった。
注2)
CSD認証事業は、子どもの安全の向上のための業界横断型ガイドライン(キッズデザインガイドライン)を適用し、デザインプロセス評価と企業が実施した製品評価の確認を主体とした第三者認証で、これまでに5件が認証された。
■『「子どもたちの安全安心に貢献するデザイン」における安全性のガイドライン』の詳細
「CSD001 キッズデザインガイドライン ―キッズデザインの原則」
「CSD002 キッズデザインガイドライン ―安全性のガイドライン」
■本件に関する問い合わせ先
キッズデザイン協議会事務局 (担当)山下
TEL:03-5405-2141 FAX:03-5405-2143