水都大阪2009「水辺の文化座」ワークショップ開催報告
2009年8月26日から28日の3日間、中之島公園で開催された「水の都大阪」の復興を広く伝えるイベント「水都大阪2009」。その中心的なアートプログラム「水辺の文化座」において、こどもOS研究会は、子ども参加型アートプログラム「こどもOSをみんなで体感しよう!」を実施しました。
これまで研究会が「お散歩会」などで蓄積してきた「子どもの振る舞い(こどもOS)」の知見を、都市空間の中での「遊び場づくり」へと展開した、実践的なワークショップの記録です。
【活動の概要】都市の祝祭に現れた「ダンボール・ジャングル」
・ダンボール迷路&秘密の通路: 段ボール箱の素材だけを大量に用意し、子どもたちの主体性に任せて、巨大な迷路空間を作成しました。必然的に、子どもが好む「狭い場所(囲われ感)」や「見えない先への興味(通り抜ける路地)」が出現しました。
・ダンボールタワー: 高いところに登り、視点を変えたいという「子どもの純粋な欲求(登らせるかたち/メタ視/見立て)」を叶える階段状の造形を用意しました。
・強化ダンボール製の水場: 「水都」のテーマに合わせ、特殊な強化ダンボールを用いた触覚体験エリア(流れる水/触って確認)です。
これらの空間は、完成された遊具としてではなく、子どもたちが自ら遊びを「発見」し、「編集」できる未完成なジャングルとして開放しました。
【考察1】「未完成」が引き出す能動的な振る舞い
・空間の「ハッキング」: 迷路をただ通るだけでなく、一部を勝手に「秘密基地」や「お化け屋敷」に作り替え、ダンボールに書き込まれた「メッセージ」によって、独自の物語を生成する様子が見られました。
・身体感覚の拡張: 強化ダンボールの質感や水(氷)の冷たさに触れることで、全身を使って環境を確かめる「触覚のOS」がフル稼働していました。
・アバター(分身)を通した自己表現: 同時に実施したアバター作りでは、自分自身の分身を空間に置くことで、メタ的な視点で客観的に遊び場と関わる高度な認知プロセスが見られました。
【考察2】大人にとっての「気づき」:観察がデザインを変える
会場では、これまでの「お散歩会」の調査資料(写真や映像)も展示され、目の前で繰り広げられる子どもたちのリアルな遊びと、研究データとを照らし合わせる試みが行われました。 大人は「危ない」「汚れる」といった固定観念を一度外し、子どもたちがなぜその空間に執着し、なぜ何度も同じ場所を潜り・登るのかを観察することで、「効率や正解を求めない、純粋な創造性」の本質に触れることができました。
【総括】都市空間における「プレイフル」の可能性
ここで記録された「自由な遊びの風景」は、後の「こどもOSランゲージ」をより強固なものにする貴重な一次データとなり、子どもにとっても大人にとっても「心地よく、刺激的な」空間デザインの指針として昇華されていくことになります。
主 催
水都大阪2009 実行委員会
運営主体
キッズデザイン協議会「こどもOS 研究会」
構成メンバー
積水ハウス株式会社
大和ハウス工業株式会社
パナソニック電工株式会社
株式会社ジャクエツ環境事業
NPO法人GIS総合研究所
大阪府〔大阪府産業デザインセンター〕
協 賛
神戸芸術工科大学
ザ・パック株式会社
城東紙器株式会社
矢野紙器株式会社
芳川紙業株式会社





