研究会の目的
キッズデザインの3つのデザインミッションのひとつ「子どもたちの
創造性と未来を拓くデザイン」とは、どのようなデザインでしょうか。
子どもたちの創造性育成研究会では、過去第1回~9回キッズデザイン
賞受賞作品を中心に、子どもたちが創造性や感性を育み、健全に発育
発達をするためのデザインを構成する要素の抽出・分析を試みました。
これにより、このデザインミッションについての理解を深め、これから
の商品・サービスや社会の仕組みづくりに役立てていただけることを
期待しています。
白梅学園大学 教授 無籐 隆
教育心理学者
キッズデザイン賞 副審査委員長
子どもたちの創造性はいかにして育まれるのでしょうか。
子どもたちの感覚・感性が発揮され、きめ細やかにしていくことが始まりです。
その上で、子どもたちの発想や思考を多方面に伸び伸びと広げられるようにしていきます。
それは純粋に頭で考える作業というより、身体の動作と感覚を絶えず伴った活動の中と、それを時に一人で
時に仲間とともに展開されるものです。子どもにも思いがけない発見があり、それをさらにこうできないかと考え出すような場をサポートする必要があります。
そのデザインを、「子どものため」と「子どものもの」と「子どもが作り出すもの」とに分けると、そのどれ
もが必要であり、重ねていくことに創造性発揮のためのキッズデザインの未来があるのではないでしょうか。
子どもの楽しさと成長に役立つことと、子どもが思いきりその発想を広げて使える自由度の大きさと、さらに子どもが自分の力で道具や遊具や場そのものを作り出し、それによりさらに活動を進められることです。
Design for Kids, of Kids, by Kids を作っていきましょう。
この「7つの視点」はそんなキッズデザインを発想する一つの手がかりとなるのではないでしょうか。
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Step1 キッズデザイン賞受賞作品からキーワード抽出
子どもたちの感性や創造性を育む点を評価された受賞作品から、メンバーが特徴的と感じる作品69点を選出し、各々が持つ優れた点をキーワードとして抽出し分類、一覧化を行った。<表1>
Step2 無藤隆先生講演「子どもの創造性育成とキッズデザイン」からキーワード抽出
2012年4月開催の無藤先生講演の内容からキーワード抽出し、Step1との関連性・共通点を検討した。
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Step3 抽出したキーワードの検証
Step1で選出した受賞作品から代表例と考えられる作品について、Step1・2で抽出したキーワードを当てはめてみて、キーワード全体としての網羅性や適合性の検証を行った。<図1>
Step4 キーワードの整理
Step1から3を踏まえキーワード・キーフレーズの関連付け・整理を行ったところ、8つの指標にまとめ、事例マップを作成した。<図2>
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Step5 事例精査と文章表現の検討⇒「7つの視点」作成
Step4の8つの指標について、事例の精査と文章による表現の検討を進めたところ、類似する要素を整理し「7つの視点」としてまとめた。
Step6 「7つの視点」のビジュアル表現の検討
7つの視点の関係性をより分かりやすく表現するための工夫、ビジュアルを検討した。
子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン「7つの視点」
キッズデザイン賞受賞作品をベースに分析・抽出した要素を「7つの視点」にまとめました。
各視点の説明は、それぞれをクリックしてご覧ください。
●感覚的なデザイン
「直感的な美しさ」
「素材を感じる」
「動きの誘発」
●目的性・機能性の
あるデザイン
「取りこむ・組み合わせる」
「新しい発見」
「知の探索」
●他者との交流が
生み出すデザイン
「共感・共創」
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『キーワードの解説』
【デザインのポイント】
上記キーワードの解説をより具体的に表現しました。
【受賞作品事例】
第1回~第9回キッズデザイン賞受賞作品から、視点を表現している代表的な事例を掲載しました。
*但し、掲載事例がすべてではありません。