キッズデザイン図鑑

みどりの丘歯科医院 & こどもの部屋 ぶどうの木
アトリエサンカクスケール株式会社
みどりの丘歯科医院
地域のために、医療が貢献できることとは 工事をする際に出る残土を利用してできた「みどりの丘」。/イベントやこどもの遊び場としても大活躍のガーデン。/医院と託児所は、いつでも自由に行き来することができる設計。/青空バザーマーケットの様子。幅広い人々が集う交流の場に。


山口県の下関市にある「みどりの丘歯科医院」は、子育て中のお母さんでも安心して通院できるよう「ぶどうの木」という託児所を併設しています。
院長の岡田先生は、高齢者医療にも力を入れており、通院が難しい人のために訪問医療を行う地域貢献に積極的な歯科医師。同時に、「時間がないこどもをもつ母親のためにできることはないか」と考えてきました。
この建物を設計したアトリエサンカクスケール株式会社の村上氏は計画の背景をこう語ります。
「この地域には、古くからある集落と新興住宅地の2つのコミュニティがあります。この2つは交流が頻繁に行われていませんでした。また、共働きのお母さんの多くは保育所が住んでいる地域になく、離れた地域にあるため、なかなか地元のコミュニティに参加することが難しい状況。幅広い人が通う歯科医院を通して、地域をつなぎ、子育てを支援することはできないか、と考えました。」
岡田先生と村上氏は、協議を重ねていきました。


「医療+育児」をテーマにしたコミュニティの場

2人が目指したのは「地域に密着したコミュニティを育める場所」。
現在、歯科医院は都会でも地方でも多数分布しています。これを活用することで地域支援のインフラをつくれるのではないかと思いつきました。
地方にある多数の歯科医院を地域に根差した場所にしていくことで、行政に代わる民間の取り組みのフレームになると考えたのです。そのためには、これからの医療施設は地域の公民館であり、カルチャーセンターのような存在である必要があります。そこで、生まれたのがこの託児所が併設された医院だったのです。併設された託児所が地域の公民館的な要素で、地域に根差した子育てを支援する場となればと考えています。

元気と交流と光、そして緑化というコンセプトのもと、地域のお年寄りからこどもまで心地よく過ごせる空間を目指しました。明るいカラーリングは、この医療施設自体がまちを元気にする処方箋というメッセージ。「みどりの丘歯科医院」にある「みどりの丘」は、こどもの遊び場としてはもちろん、建物を低く見せ圧迫感をなくし誰もが来やすくするための工夫です。また、「ぶどうの木」と「みどりの丘歯科医院」に別々の入り口を用意し、託児所だけをカルチャーセンターや図書館として利用していただくことができます。

これから、「みどりの丘」は地域のシンボルとして存在感を増していくことでしょう。人の心を温かく照らす建物は、まちに住む人と人とをつなぎ、「医療」と「子育て」を融合させた取り組みとして全国に広がっていくことを期待します。

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