キッズデザイン図鑑

hairo[はいろ]
hairo[はいろ] クリナップ株式会社
子育てのリアルな悩み入浴時の親の負担とは・・・。 hairo[はいろ] イメージ

子どもの事故を未然に防ぐ工夫を製品に施すことで、子育て時の親の家事や見守りの負担軽減を実現する製品開発は、キッズデザインの大きな目的のひとつです。
今回ご紹介するバスルーム「hairo[はいろ]」(第3回キッズデザイン賞金賞(生活安全デザイン賞)受賞:クリナップ株式会社)は、まさにこの目的に適った好例です。<写真01参照>

当初、新型バスルーム開発の方向性は、30代の子育て家族の意識調査から「女性がゆったりと美容対策やリラックスができるバスルーム」と決めたそうですが、進めるうちにこれが全く覆される結果となりました。開発にあたったクリナップ株式会社の小堀淳司氏によると、「開発当時、32歳の妻に"おふろで一番何がしたい?"と質問したところ、"リンスがしたい"と全く想定外の答えが返ってきました。一人で子ども二人をお風呂に入れている時は慌ただしくてリンスをする時間もなく、とてもアロマや美容どころじゃない 、と。既存データからは見えない理想と現実の差を感じ、これが大きなターニングポイントになりました」。
小さな子どもを持つ母親へのアンケート(株式会社マクロミル調査)では、3歳以下の子どもを持つ母親の7割が子どもとの入浴は「大変だと思っている」という結果が、そしてお風呂場の機能についても「洗い場で子どもが滑る」「子どもから目が離せない」「収納が少ない」「冬場は子供の体をふくときに子どもが風邪をひかないか心配だし、自分も冷えてしまう」とさまざまな不満があることがわかってきました。
実際に浴室での事故で最も多いのは転倒で48%、次がおぼれで20%(東京消防庁調査)です。おぼれ事故は、保護者がその場を離れた時に一番多く起こっているのですが、見落としがちなのが、保護者が一緒にいた時の事故です。浴室で親が自分の体を洗う時には、壁や鏡、水栓のほうを向き、子どもに背を向けるのが一般的で、この間、後ろにいる子どもの様子は全く見えず、浴槽に浮いているおもちゃをとろうとして頭から浴槽に突っ込みおぼれるといった事故が発生するのです。それが気になるため、親は慌てながら、振り向きながら自分の体を洗っているというのが現実なのでした。

 

ゼロベースで考えれば、
答えはある

<写真02参照>
この課題に対し、部品をすべて外して浴槽だけを残してゼロから検討した結果、生まれたのが「hairo[はいろ]」です。壁に向いて使う従来の風呂部品を取り払い、さまざまな検証を重ねた結果、親が子どもの方を向くしかないという結論に至りました。自由に動かせるテーブルと椅子、そして手元で吐止水ができるシャワーを組み合わせることで、中央を向いて子どもを見守りながら自分の体をゆっくり洗うことが可能になったのです。<写真03参照>
現実を突き詰め把握したことで見えてきた課題を、大人向け仕様の改良ではなく、子ども目線のゼロベースから開発することで解決した「hairo」は、まさにキッズデザイン開発の好事例です。暮らしの常識・思い込みには、さらなるキッズデザインの進化の可能性があることを気付かせてくれます。

 

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