キッズデザイン・ラボ

コドモビリティプロジェクト-第2回 子どもの運動能力向上に向けた取り組み- 株式会社アシックス/株式会社フレーベル館/株式会社アサツー ディ・ケイ/エプソン販売株式会社/株式会社LIXIL住宅研究所/大和ハウス工業株式会社

はじめに

前回は、幼児期の運動能力測定について紹介しましたが、今回は、幼児の運動能力と知育面、生活環境面の関連について検討を行った結果を紹介いたします。

幼児の運動能力測定と知育面評価、生活環境アンケートの実施

モニター園にて、アシックスのキッズスポーツチャレンジによる6種目の測定に加え、知育面評価と生活環境アンケートを実施いたしました。 知育面の評価は、フレーベル館の幼稚園教育要領を基に自立、協調性、理解、表現について評価項目を決定し、担任による5段階クラス内相対評価を行いました。生活環境アンケートは、遊び、日々の活動量、習い事、怪我などについて、保護者から聴取を行いました。

期間:2009年度
場所:都内保育園2園、埼玉県幼稚園1園・保育園1園
対象:上記園 年少〜年長クラス園児

表:知育面評価対象者表:生活環境アンケート対象者

図:キッズスポーツチャレンジ測定種目

表:知育面評価項目表:生活環境アンケート項目

運動能力の発達と知育の発育発達との関連

自立、協調性、理解、表現の各特性の平均値を代表値として用い、運動能力との関係を、共分散構造解析を用いて検討しました。
下図のような因果モデルを作成し検討した結果、モデルの妥当性が認められました(GFI値0.957)。知育面の4特性の係数はすべて正の値であり、樹形図の頂点は「知育力」を示すと考えられます。同様に運動能力の評価種目も、移動系、平衡系、操作系の3項目に分類でき、頂点は「運動能力」を示すと考えられました。「知育力」と「運動能力」の関連を検討すると、運動能力が向上すると知育力も向上するという因果関係が認められました。運動能力の発達が、子どものココロ、アタマの健全な発育発達に寄与することが示唆されました。

図:運動面と知育面の因果モデル

幼児期の運動指導の有効性

生活環境アンケートにおいては、習い事や屋外遊びの頻度の影響が示唆されました。習い事の実施状況では、水泳、サッカー、音楽、体操を習っている園児が多かったようです。
過半数が運動系の習い事をしている年長年中クラスにおいて運動系の習い事による運動能力への影響を検討したところ、バランス歩き、テニスボール投げ、サッカーボール蹴り、総合運動能力(全種目の平均)において、運動系の習い事を2個以上している園児の能力が高いことが示されました。幼児期は神経系の発達のピークを迎え、成人時に身についているほとんどの動作のスキルを身につける時期であり、この幼児期に運動系の習い事を行うことは運動能力の発達に有効であることが示されました。

図:習い事の実施状況 図:運動系の習い事数の実施割合

図:年長年中クラスにおける運動系習い事の数による運動能力の比較

体を動かして遊ぶ頻度と種類を増やそう

屋外で家族と体を動かす遊びについては、公園遊びや自転車、かけっこを行うという回答が多くありました。屋外遊びの頻度が高い子どもは、走力の指標である10m走と調整力の指標であるジャイアントフット走の能力が高いことが分かりました。屋外では主に移動系や平衡系の遊びが行われ、それらの頻度が高い子どもたちは走力、調整力の能力が高いことが示唆されました。投げる、蹴るといった操作系の動作も普段の遊びに取り入れることで、能力が高くなることが考えられます。
遊びの頻度と種類が、運動能力の発達に影響を与えると考えられます。

図:家族と行う体を動かす遊びの実施状況

図:屋外遊びの頻度による運動能力の比較

子どものココロ・カラダ・アタマの健全な発達を応援する

以上の通り、運動能力の発達が、子どものココロ、アタマの健全な発育発達に寄与することが示唆されました。
また、運動能力の発達はその頻度や種類によって促進されることが明らかになりました。
更に、前回述べた通り、測定によって、発達の著しい時期に、どのような動作や遊びが足りていないか、どのレベルの遊びを行ったらよいかを正しく把握することが、運動能力の向上に有効であることがわかりました。

子どもたちの運動能力を正しく把握し、多くの運動機会を提供することは、子どものココロ・カラダ・アタマの健全な発育にとって重要なことであると言えます。

※この研究に興味のある方は、下記URLも併せてご覧ください。

http://www.asics.co.jp/kids/event/challenge/

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