キッズデザイン・ラボ

コドモビリティプロジェクト-第1回 子どもの運動能力向上に向けた取り組み- 株式会社アシックス/株式会社フレーベル館/株式会社アサツー ディ・ケイ/エプソン販売株式会社/株式会社LIXIL住宅研究所/大和ハウス工業株式会社

キッズデザイン協議会の調査研究事業の一環、会員提案型プロジェクトの「コドモビリティプロジェクト」研究会(リーダー:(株)アシックス、メンバー:(株)フレーベル館、(株)アサツー ディ・ケイ、エプソン販売(株)、(株)トステム住宅研究所、大和ハウス工業(株))では、子どもの健全な発育発達の育成プログラムとして「運動」が有効であることを確認することを目的に、下記のプロジェクトを実施致しました。

はじめに

近年の子どもの生活環境の変化に伴う「運動能力の低下」「肥満傾向時の増加」「姿勢の悪さ」など、「子どものカラダ」について危険信号がみられます。
これらの現象は「運動不足」に起因していると言っても過言ではありません。子どもの健全な発育発達プログラムとして「運動」は有効な手段です。発達途上の子どもにおいて運動は知育の発達と深い関係にあり、「運動」によって「脳」を発達させることができるとも言われています。その程度は年齢と反比例するため、幼児期に体を動かす機会を多く与えることで、神経、脳、精神を刺激し、心身ともにより成長させることが可能であると考えられます。
このため、子ども(6歳まで)が楽しみながら運動できる仕組みづくりが重要です。

プロジェクト活動内容

本プロジェクトは、育成プログラムとして運動が重要な手段となることを検証し、幼児の運動機会の提供や運動の重要性を啓蒙するために、07年度から活動を行ってきました。
子どもの運動能力を簡便に測定する手法「キッズスポーツチャレンジ」を用いて、モニター園にて経年測定および3年間の推移の分析を行いました。
併せて、知育面、生活環境との関連を検討しました。子どもの運動能力を的確に捉え、その発達を把握することは、適切な運動機会の提供につながることが示唆されました。

幼児の運動能力測定:キッズスポーツチャレンジ

小学校においては「全国スポーツテスト」などが実施されており、全国レベルとの比較の中で子どもの運動能力を相対的に把握することができます。しかし幼児期においては、そのような全国レベルでの数値がなく、子どもたちの能力を的確に把握できていないのが現状です。
アシックスのキッズスポーツチャレンジでは6種目の測定を行い、全国の1-13歳の約1万人以上のデータを基に、月齢ごとに各能力を評価することが可能です。

子どもの動作スキルは移動系、平衡系、操作系の3つに分類されます。移動系は「走る、跳ぶ」といった動作、平衡系は「乗る、バランスをとる」といった動作、操作系は「ボールを投げる、蹴る」といった動作を示します。これらを総合的に評価するために、各系2種目ずつ測定を行います。専用の機器と専門スタッフによる声かけなど蓄積されたノウハウを用いて測定を行いました。

図:測定種目

測定した記録は、表やグラフを使って分かりやすく示すとともに、同じ月齢の平均値との比較、得手不得手のバランスなど、各自の運動技能の発達レベルを詳しく分析したデータなどをお伝えします。また、園単位や学年毎の運動技能の発達レベルやその経年変化などを示したデータなどを提供するほか、各能力を向上させるための具体的な遊びを提案するなど、幼児の健やかな発育発達をより効果的に支援するための施策を立案するための資料として活用できるようにしています。

図:個人測定結果

図:園測定結果

モニター園測定

期間:2007年度-2009年度
場所:都内保育園2園、埼玉県幼稚園1園・保育園1園
対象:上記園の園児 2歳児クラス、年少?年長クラス のべ1,312名
測定項目: 10m走、立ち幅跳び、ジャイアントフット走、バランス歩き、テニスボール投げ、サッカーボール蹴り

表:測定参加者

幼児期の運動能力の発達は著しい

2009年度の園児の結果

どの種目も月齢による記録の向上がみられました。アシックス保有の小学6年生までのデータと比較しても、幼児期の月齢による記録の向上が顕著であることが明らかです。幼児期はスキャモンの発育曲線で示される通り、神経系の発達がピークを迎え、脳と全身の神経回路を張り巡らせる大切な時期であるため、様々な動作を覚え身につける時期であると言えます。幼児期に多くの運動機会を提供することは運動能力の健全な発達に非常に有効です。

また成長の著しい幼児の運動能力を正しく把握するためには、小学校の新体力テストのように学年ごとの平均との比較では十分でなく、月齢ごとに評価を行う必要があることが明らかです。

図:モニター園園児の結果

図:1-13歳までの測定結果例

得意と苦手を正しく把握することで、必要な動作や遊びがわかります

3年間の経年変化

幼児期の運動能力を正しく把握するために、月齢ごとに評価した値である能力レベルによって3年間の経年変化を分析しました。能力レベルは50が各月齢の平均を示し、数値が高いほど能力が高いことを表します。経年による変化として、記録の向上だけでなく運動能力レベルの向上がみられました。運動能力を正しく把握し、意識して運動させることで、運動能力を向上させることができたと言えます。

測定結果に基づき、園児の運動能力を的確に把握することで、得意と苦手が見えてきます。どのような動作や遊びが足りていないか、どのレベルの遊びを行ったらよいかがわかります。

図:3年間の能力レベル経年変化

「運動は脳の発達を促進する」といわれており、幼児期に体を動かす機会を多く与えることは「アタマ」「カラダ」「ココロ」の健やかな発育発達に重要だと考えています。

幼児の健やかな発育発達を継続的に支援するため、株式会社アシックスは、子どもの基本的な運動能力を測定し、運動適性や今後の運動プログラムについてアドバイスを行う有料サービス「キッズスポーツチャレンジ」を展開しています。幼稚園や保育園、子どもを対象としたイベント会場などで都度実施します。
(お問合せ先:(株)アシックスお客様相談室  TEL.0120-06-8806(本社) 0120-77-6338(東京))

次回は、運動能力と知育面および生活環境との関係についてお話しします。

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